この世には人知を超えた第五の次元が存在する。光と影の狭間、科学と迷信の狭間、人の恐怖の奈落と知性の高みの狭間に横たわる領域。それは空想の世界。
人呼んで『トワイライトゾーン』今日ご紹介するのは、不思議な流星を見た一人の男の物語です。
あなたも噂をお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
曰く、その流星に当たった者はドロドロに溶けてしまう。曰く、その流星を見たものは呪われてしまう。
実際のところ彼の身にいったい何が起こったのでしょうか。
それではご覧ください。その日、一人の男がウルダハの都にたどり着こうとしていました。
彼の名はジョン・ハワード(David Landis)。しがない木工師(Carpenter)です。

彼は怒りに燃えていました。
グリダニアのギルドで木工師としての親方株を手に入れ、店を持つという夢破れての二十数年ぶりの帰郷だったのです。
チョコボキャリッジに揺られながら、彼の胸にはグリダニアでの思い出が去来しました。
彼の親方だったララフェルは、穴掘りモグラの末裔の癖に、彼が仕事を怠けると言って法の許す限度まで叩きました。
弟弟子のアラミゴ流入民は、敗残者の難民の癖に、彼を追い越して親方になっていきました。
木工ギルドで試験官をしていたエレゼンは、森の奥に閉じこもっていた都会的センスの欠片も無い部族の癖に、彼の作品を終にマスターピースとは認めませんでした。
彼が密かに作った槍を買っていった冒険者のミコッテは、頭が悪く物の価値もわからない種族の癖に、彼の作品を不良品だと訴えました。
ハンズアイの使い走りのルガディンは、ただの筋肉ダルマでギルドの規定の理不尽さも理解できない程度の脳しか持っていない癖に、モグリで商売を行ったと彼をグリダニアから追い出しました。
全てが憎くて仕方がありませんでした。
歯軋りの音が漏れたのか、乗り合い鳥車の客席の正面に座る男が彼を睨み付けて舌打ちをします。
彼は目を閉じて深くため息をつきました。
考えればすべては過ぎ去った事です。それよりも、これからどうするのか考えなくてはなりません。
と、そこで彼は気付きました。
知人達は彼が親方株を持たずに帰郷した顛末を知りたがるでしょう。
いや、もしかすると彼が追い出されたことを風の噂でとっくに聞いてさえいるかもしれません。
苦い後悔には耐えることができてもこれから受けるであろう嘲笑には耐えられそうもありませんでした。
グリダニアの人間も、ウルダハの人間も、他の奴らなんてみんな消えてしまえばいいのに。心の底からそう思いました。
鳥車を降りた彼が目にしたのは不思議な光景でした。
天を覆う暗雲に、降り注ぐ火の玉の群れ。この世の終わりが来たとでもいうのでしょうか。

ふと我に帰った彼が辺りを見回すと何か様子がおかしいような気がします。
そこは彼が良く知るウルダハに間違いないはずですが、何かが決定的に違っていました。
周囲にまったく人の気配が無いのです。
まさか、みんな消えてしまえばいいという先ほどの彼の願いを神がかなえてしまったとでもいうのでしょうか。
まだウルダハに住んでいたはずの友人の姿を求めて、彼は走り出しました。
近頃は開放されっぱなしのはずのクイックサンドの扉が閉まっている。

なんだか腹が減ってきた。露店にも誰も居ないし止むを得ないか。

キャンプブラックブラッシュまで来てみたがエーテライトまで消えている・・・

もう一人は嫌だ・・・誰かいないのか?
誰でもいい。誰か・・・!
マールソー海峡に沈みかけた夕日が朱に染めるホライズンエッジで一瞬だけ人影を見たような気がした時、薄闇が帳を落とし始めたドライボーンで幽かな嘆き声を聞いたような気がした時、もしかするとあなたの横に彼がいるのかも知れません。
彼はいまでもさまよい続けているのです、あの黄昏の世界を。以下蛇足
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テーマ:FINAL FANTASY XIV -
ジャンル:オンラインゲーム